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狂気の伝染

狂うと言う字は獣辺に王と書く。
王が狂気を孕み、臣下を惨殺していくというのはよく聞く筋である。
それをされる臣下は下剋上を企てていたり、本当の忠臣であったりする。
古代社会では王とは神と同義であるが任期の後は神への生贄として無残に自決して黄泉に下っていたらしい。
また王は好んで道化を飼った。ブラックジョークでもって王に箴言することが彼らの仕事だった。

狂気は人間が社会生活を営む際に生じた原始の本能との間のノイズである。
人間は肉を食いながら家畜を愛で、野を焼きながら自然の素晴らしさを説き、戦争をしながら平和を求める。
狂気は人間という一種族が社会を構成して生き残ろうとしたために生じた必然の帰結であり、そうせざるえない種族としての欲求だろう。
これを日本語では穢れと言う。
穢れは血から生じる。女人は川上で経血のついた布を洗って、それが仏に備える水に混入するから女人は全て血池地獄に落ちるという乱暴な仏説も存在する。
一方、仏僧は血が大量に流れるであろう人間界の戦争にも加担していた。これには一殺多生という四字熟語がいかにもそれらしく対応していたのであろう。
とにかく、血は避けられるものである一方、求められるものでもあった。
定期的に起こる革命は大地を赤く染めた。革命は集団的狂気である。
革命前夜、日本では大量の札が宙を舞い、ええじゃないかと叫ぶ民衆が道路を占拠した。

生活には血が付き物であり、血には狂気が付き物であり、それは人間にも「憑く」ものなのかも知れない。王は多くの血を流すために狂気に伝染しやすいのかも知れない。

「憑かれた」時、狂気のノイズを解くのは、栄誉ある王自身とは正反対の卑しい道化による屈託のない皮肉だ。だがそれは裏を返せば、疲れた親に子が見せるような愛情のこもった笑顔であったのかも知れない。


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古倉 のぶ雪
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自己紹介:
まいにち 
かんがえたことの 
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《願望》
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